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ウー・カンレン (アバン)
ジャック・タン (アディ)
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マレーシア代表作品選出

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ジン・オング第一回監督作品
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マレーシア・クアラルンプールのスラム地区[富都](プドゥ)。

荒廃したその街で、IDも与えられず、過酷な人生を強いられた兄弟がいた。

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ジン・オング監督 ウー・カンレン ジャック・タン
「日本の観客の皆さんへ」ビデオメッセージが到着

速報!ジャック・タン (アディ役) & ジン・オング監督緊急来日

2月1日(土)・2日(日)​ 有楽町・池袋・立川・横浜の映画館で舞台挨拶決定!

詳細は追ってお知らせします。

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富都青年

Introduction
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世界の映画祭を席巻。

100万人の魂を揺さぶった感動作、

ついに日本で劇場公開へ

イタリアのウディーネ・ファーイースト映画祭でマレーシア映画として初の最高賞含む、3部門を受賞。その後もアメリカ、スイス、中国、香港、台湾、フィリピン、そして日本と、全世界18の映画祭で21の賞を獲得。さらに台湾とマレーシアでは劇場公開されると100万人を動員するビッグヒットを記録し、マレーシア映画史上、最も国際的に成功した作品となった。この勢いに乗って、来年開催される米アカデミー賞の国際長編映画賞に、マレーシア代表としてエントリーされることも決定した。

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ABANG

アバン - 兄
呉 慷仁
ウー・カンレン
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​東洋のロバート・デ・ニーロと欧米メディア絶賛。

ウー・カンレン圧巻のパフォーマンス!

聾唖(ろうあ)の兄アバンを演じたのは、台湾の人気俳優ウー・カンレン。彼がクライマックスで演じる声にならない魂の叫びは、観客の感情を大きく揺さぶるに違いない。その演技は高く評価され、台湾のアカデミー賞(金馬奨)で最優秀主演男優賞を獲得したのをはじめ、各映画祭・映画賞の演技賞を独占している。無鉄砲な弟アディを演じた、マレーシアのスター俳優ジャック・タンは、社会から排除された若者の行き場のない怒りと悲しみを等身大で演じ、彼もまた多くの助演男優賞をその手中に収めている。またこれまで『ミス・アンディ』等の社会派映画の秀作をプロデュースしてきたジン・オングが、本作で初めて監督デビューしたことも大きな話題を集めている。

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陳 澤耀
ジャック・タン

ADIK

アディ - 弟
Story
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クアラルンプール最下層の街で、

支え合いながら生きてきた兄弟の物語。

マレーシア・クアラルンプールの富都(プドゥ)地区にある荒廃したスラム街。この地域には不法滞在者2世とも言える人々や、様々な国籍・背景を持つ貧困層の人々が多く暮らしている。その場所で、身分証明書(ID)を与えられず、過酷な生活を強いられ生きてきた兄アバンと弟アディ。アバンは聾唖(ろうあ)というハンディを抱えながらも、市場の日雇いで堅実に生計を立てているが、アディは簡単に現金が手に入る裏社会と繋がっていて、彼の行動は常に危険と隣り合わせだ。そんなある日、実父の所在が判明したアディにはID発行の可能性が出てきた。しかしある事件がきっかけとなって、二人の未来に重く暗い影が忍び寄る。

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Gallery
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Profile
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ジン・オング | 監督

王礼霖 Jin Ong – Director & Writer 导演・编剧

1975年6月19日生まれ、マレーシアの監督・脚本・プロデューサー。製作会社ムーア・エンタテインメントの代表でもある。プロデュース作品である2017年の「分貝人生 Shuttle Life」が評価されて、第12回中国青少年映画フォーラムの新進プロデューサー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされた。2019年に手がけた『ミス・アンディ』も高い評価を受け、プロデューサーとしてのジン・オングカラーを確立していった。文化的アイデンティティ、社会的不平等、政治的腐敗などの問題を浮き彫りにし、マレーシア社会の複雑さを捉える視点がオングの真骨頂で、初めて監督を手がけた本作はそのフィロソフィーが一気に開花した。尊敬する監督にアン・リーを挙げている。

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ウー・カンレン | アバン

呉慷仁 Kang Ren Wu – Abang 阿邦

1982年11月24日高雄生まれ。大学卒業後、モデルを経て2007年、25歳の時に「沿海岸線徵友」(海岸沿いで友達募集中)というクイア短編映画でデビュー。2009年に出演したテレビドラマシリーズ『秋のコンチェルト』で人気を博し、『キミをプロデュース〜Miracle Love Beat』『華麗なるスパイス』など、その後もテレビ・映画の話題作に出演しキャリアを確立していった。2018年に出演した「白蟻:欲望謎網」の演技で台北電影節最優秀主演男優賞を受賞して、演技力も高い評価を受けるようになる。日本人には宮部みゆきの『模倣犯』Netflix台湾版の主演俳優として知られた存在かもしれない。主な出演作に『台北24時』『淡水河の奇跡』『離れていても』など。本作の演技はウー・カンレンの新境地を開拓したと評され、イタリアのメディアは東洋のロバート・デ・ニーロだと手放しで称賛した。そのバフォーマンスは金馬奨主演男優賞をはじめ、各国の映画祭で最優秀演技賞を独占するに至った。アン・リー監督も、金馬奨授賞式後の楽屋でウーに直接「あなたはどんな役にでもなれる、素晴らしい俳優だ。あなたの演技に感動しました」と伝えた。更に今年9月には中国の大手エージェントと契約したことが発表された。

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ジャック・タン | アディ

陳澤耀 Jack Tan – Adik 阿迪

1991年3月3日クアラルンプール生まれの俳優・歌手・モデル。友人に誘われて受けた俳優養成所のオーディションに合格。この時はまだ俳優になる決心がついていなかったが、台湾の演劇学校に入学し下積みを積んだ後、2011年台湾制作のテレビドラマ「我和我的兄弟·恩」で芸能界デビュー。2016年には「大手牽小手」で映画デビュー。2017年に主演に抜擢された「分貝人生 Shuttle Life」の演技は高い評価を受け、上海国際映画祭でアジアンニュータレント最優秀男優賞、チャイナヤングジェネレーションフィルムフォーラム最優秀主演男優賞を受賞した。更に本作でも金馬奨の助演男優賞にノミネートされたほか、マレーシア・ゴールデングローバル賞など多くの助演男優賞を獲得している。根っからのスポーツマンで、自由な時間にはカーレース、ドリフト、ロッククライミング、ハイキングなど、スリルを求める競技を楽しんでいる。主な出演作に『幻土』「樂園」「我和我的賽車老爸」などがある。妻は本作の挿入歌として使用されているテレサ・テンの名曲『千言萬語』をカバーした、歌手・女優・ラジオDJのユン・メイシン。

監督インタヴュー
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ジン・オング監督インタヴュー

兄の弟への想いは、言葉では語り尽くせぬものがある。

“ABANG ADIK”は主役二人の名前ですが、

兄と弟を意味しますか?

“ABANG ADIK”はマレーシアの母国語であるバハサ・マレー語から来ています。「ABANG=アバン」は「兄」を、「ADIK=アディ」は「弟」を意味します。合わせると「兄弟」という意味になります。映画の主人公たちの名前はこの単語に触発されていますが、映画では呼び名として使用しています。

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この映画ではID(身分証明書)を持っていない人がたくさん出てきますが、マレーシアにはどれくらいの人がそのような状況にあるのでしょうか?また、彼らがIDを持てない理由は何だと思いますか??

正確な統計はありませんが、私が最後に読んだニュースによると、IDを持たない人は約30万人(不明なケースを除く)いるとされています。IDを持てない理由は様々ですが、映画の兄弟は両親が合法的な結婚登録をしていなかったためにIDを持てないという、よくある問題に直面しています。よく見られるのは、父親はマレーシア人で母親は外国人労働者というケースです。

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マレーシアのIDにはいくつかの種別があるのですか?

マレーシアのIDは5つの種別に分類され、色分けされています。

ブルーカードはMyKadと呼ばれ、通常は12歳以上のマレーシア国民に発行され、すべての国民的権利を享受できます。ピンクのMyKidカードは12歳未満のマレーシア国民に与えられ、MyKadに付帯している写真や指紋の生体認証データは含まれていません。シルバーのMyTenTeraカードはマレーシア軍に勤務している国民に与えられ、12桁の軍人認証番号が付記されています。グリーンのMyKasカードは、外国人など一時居住者に与えられ、5年毎の更新手続きが必要です。

レッドのMyPRカードはマレーシアの居住権が与えられていますが、選挙権などの国民が与えられている多くの権利を享受することはできません。

この映画の音楽を担当した片山凉太さんは、マレーシアで日本人の父とマレーシア人の母の間に生まれていますが、父親は彼が物心ついた頃に死別し、母もそれを機に海外に出稼ぎに出ていたため、今もなおこのレッドカードしか与えられていません。この映画のエンディングで流れる曲は、彼自身のバックボーンを唄った歌でもあるのです。

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アバンは両親が火事で亡くなっていることが原因でIDカードの発行が困難とされているのに対し、アディには出生証明書があります。この違いが二人の関係や社会との関係にどのような影響を与えていますか?

兄はIDを持っていないため、普通の市民の権利を享受することができず、警察との遭遇は非常に危険です。一方、弟は出生証明書を持っているため、彼らの実父を探し出せば、IDを申請するチャンスがあります。マレーシア社会ではIDを持たないとうことは、仕事に就くことも、銀行口座を開設するとも、パスポートを申請することも、政府の教育や保険など基本的な権利を合法で享受することが困難になります。つまりアバンはアディに比べ、非常に厳しい状況にあることが伺えると思います。街角で警官と遭遇し職務質問されただけで、強制的に収監されます。アバンは常に緊張感の中で日々の生活を送っていると同時に、自分の人生に可能性がないことも自覚しています。故に弟アディへの想いは言葉では語り尽くせないものがあります。

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セレーン・リムが演じていたジアエンは、社会から脱落した人々を助けるボランティアをしていますが、そのような人々は誰かから報酬を得ているのですか?また、マレーシアには彼女のような活動をする人は多いのでしょうか?

マレーシアの社会福祉団体のほとんどは民間が運営しています。ジアエンも民間のNGOに所属しています。彼らの給料は主に企業の献金や募金から賄われています。マレーシアには様々な種類の社会福祉団体があり、貧困層や片親家庭などを支援するプロジェクトを行っている団体がよく見られます。

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ジアエンがよく訪れるオフィスにはカウンセラーのような制服を着た男性がいましたが、彼は政府職員ですか?彼らはどのような社会的地位にあるのでしょうか?

各地域には選挙で選ばれた議員(councilor=評議員)がいて、選挙でその地域の住民によって選ばれます。ジアエンが担当していた少女たちのケースは、そのような代表者の管轄下にあります。代表者は住民に奉仕し、公務の一環として地域社会を支える重要な人物の一人なのです。

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アバンとアディが住む建物には、IDを持たない人など様々な問題を抱える住民がいます。映画の中で育て親でもあるトランスジェンダーのマニーは政府の勧めでその建物に住むことを決めたと言っていますが、入居するための条件や審査があるのでしょうか?

この建物には、家賃が払えれば誰でも住むことができます。映画には、同じような背景を持つ多くの人々が住んでいる場所として描かれています。彼らは職場(市場など)に近いこのような場所に住み、何よりも家賃が安価です。多くの外国人労働者は互いに助け合うため、同じ国の出身者同士で近くに住む傾向があります。しかしこれらのアパートの生活環境は劣悪で、衛生基準も低く、家賃が安いという理由だけで彼らに選ばれているのです。

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住民は警察の抜き打ち捜査で連行された後には、どのような扱いを受けることになるのでしょうか?

移民局の職員は全員を拘留センターに連行し、拘留のため、合法移民と不法移民の2つのグループに分けられます。合法移民は雇用斡旋会社が書類を提供した後に解放されます。不法移民やビザの期限を超過した者は、自己負担で国外追放されますが、航空券は非常に高額です。

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富都(プドゥ)の街には、このようなスラムが多いのでしょうか?

大都市には必ず、社会の周縁部に貧困地域があります。クアラルンプールにも、長い間存在しているスラムがいくつかあります。これらの地域には、様々な民族の地元住民、独居老人、障害者のいる家庭、片親家庭、または貧困層が居住しています。映画に登場する富都の地域は、屋外市場が大きな活気を生み出す古いコミュニティで、その一部の地域が映画の中に出てくるスラム地区となります。富都周辺にはまだまだリアルな貧困が見られます。

※本ロングインタヴューの全文は、劇場で販売されるパンフレットに掲載予定です
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私たちはなぜBrotherブラザーを高く評価するのか?
─ 25人から寄せられた推薦メッセージ

荒廃したスラム社会の底辺に生きる2人の兄弟。

そこから脱するための約束と無償の愛。

これほどまでに心が揺さぶられるのは、

私たちがすでに失ってしまった何かをみたからか。

終盤に流れてきた歌で涙腺が決壊した。

金平茂紀さん | ジャーナリスト

過酷な世界で生きる二人の兄弟の物語。

ウー・カンレン演じる聾啞の兄が、報われなかった人生を手話で語り出すワンカット。

声にならないその慟哭に圧倒される。

悲しみに呑まれるような体験をした。

橋口亮輔さん | 映画監督

マレーシアの光と影と原色。

喋れない兄と怠惰な弟。

言葉を持たない兄の最後の叫び。

映画もアジアの時代なんだね。

松本隆さん | 作詞家

底辺に生きる人間の魂の奥底から絞り出す

主演ウー・カンレンの声にならない声は、

ヌル~とした今を生きる私たちの喉元に

突き付けられたサバイバルナイフだ。

山本政志さん | 映画監督

光が強ければそれだけ影も濃くなる。

暗闇に安らぎを得て、

明るい光の下では怯えて暮らすしかなかった兄弟が、

それぞれ選んだ一瞬の判断。

社会が照らさなければ、

見えることすらない影があることを教えてくれた。

信濃八太郎さん | イラストレーター

私たちが暮らすこの国の片隅にも、

アバンとアディはいる。

互いの額で割る玉子。

自分よりも大切な誰かを守るために必死に生きる彼らを、私たちは見て見ぬふりをすることができるのか。

梶原阿貴さん | 脚本家・俳優

ここに生きる人達は悲しみを越えて強い。

信國大志さん | 歌うテイラー

血縁ではないふたりの青年たちが主役だが、

親代わりのトランスジェンダーの

マニーの存在が実に大きい。

深い愛で結ばれているこの擬似家族は、

家族の意味を問いかける。

また近代国家とは?アイデンティティとは? 

世界中でその定義が揺らいでいる現在、

我々含めすべての人間は亡命者である。

ヴィヴィアン佐藤さん | 美術家・ドラァグクイーン

マレーシアを舞台に「ああ、若者って、

こんな風に苦闘して生きている存在だったよな」と、

その鮮烈な生命感に感銘を受ける快作。

サエキけんぞうさん | ミュージシャン

二人の兄弟愛が終始涙を誘う素晴らしい作品。

尚玄さん | 俳優

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ウー・カンレンのような俳優が

台湾にいる事をとても誇りに思う。

彼はどんな役にもなれる素晴らしい俳優だ。

そしてジン・オング監督の誠実で繊細な演出にも

感動させられた。

彼はまさにGreat Directorだ!

アン・リーさん | 監督/アメリカ・台湾

この映画に感謝します。

この作品は、人間がいかに脆弱であるか、

そしてその脆さの中にいかに強さを秘めているかを

教えてくれました。

「生きているのなら、今をしっかり生きよう…」

JJ Linさん | 音楽家/シンガポール

この映画は兄弟がどんなに不公平な状況や残酷な世界の中にあっても、愛し合い、互いに支え合い、勇気を持って困難に立ち向かう姿を描いている。それは今もなおこの地で生きる、あるいは同じ境遇にある全ての人々に対して、力強い啓示を与えてくれるに違いない。

ジョン・ツァンさん| 香港特別行政区元財政長官

弟が耳が聞こえない兄にダンスを教える場面は、非常に優しく、輝きと官能性に満ちた純粋な映画的瞬間であり、愛が無限の形で完全に表現される魔法のような時間を表現している。

トンタット・アン | 音楽家/ベトナム・フランス

この映画が大好き。

まるで赤ちゃんのように泣いてしまったよ!

バンジョン・ピサンタナクーンさん | 監督/タイ

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こんなにも過酷な環境下で、

こんなにも素晴らしい兄弟愛が生まれるのは奇跡だ。

聾唖の兄と無鉄砲な弟を通して、私たちは言葉以外、

そして言葉以上の交流が生まれる瞬間の目撃者になる!

伊藤操さん | ジャーナリスト/元ハーパスバザー編集長

自分はどうして、“ここ“に生まれたのか ─ 。

兄の問いに誰が答えられるだろう。

自分の存在を証明出来ずに生きることの困難さ。

社会の一員になれない辛さ。

彼の存在証明は弟への愛しかない。

ウー・カンレンの真っ直ぐな瞳が痛い。

石津文子さん | 映画評論家

真のグローバル社会とは何か。

本作は国籍を含む身分証明というものが、

個人の拠り所を定義しうるかという疑問、

そして法や制度の狭間に生きる苦悩は

全く単純ではないことを、私たちに投げかけている。

池田リリィ茜藍さん | 会議通訳・日中翻訳家

"家族"として生きてきたふたりの男たちが

過酷な状況下で交わす、束の間の抱擁。

そこに発露されるのは、

どんな言葉をもってしても形容しようのない

親密性にほかならない。

来世ではなく今世で、

彼らのように社会から零れ落ちた者たちが幸せを享受するために、わたしたちに何ができるだろう。

児玉美月さん | 映画文筆家

とてつもない慟哭の先に待つ感情を、抱きしめずにいられない。ジン・オングの洗練の映画文法とウー・カンレンの繊細な演技で、きっとあなたにも「2025年最も泣いた映画」になる。

杉谷伸子さん | 映画コラムニスト

華やかな国際都市・クアラルンプールの陰には

国籍なき人たちの住む無法地帯がある。

国から見捨てられた人々の悲惨と怒りが目に焼き付く。

これは日本の未来の姿かもしれない。

高橋正明さん | デザイン・ジャーナリスト

貧困、不法移民、人権などの問題が複雑かつ多層的に絡み合う現代社会のブラックスポットに堕ちたIDのない兄弟の困難は、私たちの胸を抉った『存在のない子どもたち』の“その後”を彷彿とさせる。

それでもこの映画に通底する優しさは、愛は人を救えるという祈りのような希望を抱かせる。

立田敦子さん | 映画ジャーナリスト

「運命の2人」というテーゼを『ブエノスアイレス』から引き継いでいるこの映画は、「血の繋がり」にも「性愛」にも行き着かない今までにない道を選ぶ。観客は観終わってから2人の名が並んだ原題、そして『Brother』という邦題を噛みしめるしかない。

夏目深雪さん | 映画批評家

スラムの雑踏と絶望の中から生まれてきた天使たち。君を包む光になりたい、という兄弟の想いは優しくも痛烈である。ここで描かれているのは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のような崇高な魂と『ライフ・イズ・ビューティフル』のような献身的な愛。彼らに課せられた余りの過酷な現実に、私たちはただの傍観者でいて良いのだろうか?これは監督が私たちに突きつけた挑戦状でもあると感じた。

東紗友美さん | 映画ソムリエ

クアラルンプールの鮮やかな色彩と、市場やストリートのむせるような香りが映画から溢れ返る。義兄弟の切ない物語は思いがけないミステリーの要素をはらんで、切ない最果てに流れ着く。美しい傑作!

真魚八重子さん | 映画評論家

順不同
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Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり

ウー・カンレン 吴慷仁  ジャック・タン 陈泽耀 

タン・キムワン 邓金煌 セレーン・リム 林宣妤 シエイプリル・チャン 周雪婷 ブロント・バララエ Bront Palarae

監督・脚本: ジン・オン 王礼霖 プロデューサー: アンジェリカ・リー 李心洁 / アレックス・C・ロー ALEX C. LO 

撮影: カルティク・ヴィジャイ Kartik Vijay 編集: スー・ムン・タイ 蘇文泰 

音楽: 片山涼太 / ウェン・フン 龍玟宏 

主題歌: [一路以来]片山涼太 挿入歌: [千言萬語](歌唱: ユン・メイシン 云镁鑫、編曲: 片山涼太 / ウェン・フン 龍玟宏) 

美術: スーンヨン・チョウ 孫詠釗 / ペニー・ツァイ 蔡珮玲 衣装: エレーン・ング Elaine Ng メイクアップ: イェン・イヤップ Yen Yap 

製作: More Entertainment Sdn Bhd, New Century Southward Development Co., Ltd.

 

[ 富都青年 / Abang Adik | 2023年 | マレーシア・台湾合作映画 | 手話・マレー語・中国語・英語 | 115分 | 2.35:1 | 5.1ch | DCP & Blu-ray ]

 

日本版予告編制作 : 長夏実 デザイン :  内田美由紀 (Nora Design) 日本版予告編制作 : 遠山慎二 (resta films) 

北海道地区配給・宣伝協力 : palmyra moon 関西地区宣伝 : Ngrowing

配給・宣伝 : リアリーライクフィルムズ 後援 : 在日マレーシア大使館 PG-12

©2023 COPYRIGHT. ALL RIGHTS RESERVED BY MORE ENTERTAINMENT SDN BHD / ReallyLikeFilms

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