中国の奇才ビー・ガン監督 ─
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』
から5年。
カンヌ国際映画祭で突如発表した
15分のショートフィルムが、
奇跡の世界初単独劇場公開へ。
2022年カンヌ国際映画祭短編部門で突如発表されたビー・ガン監督待望の最新作は、彼のポエティカル、かつ寓話的世界観が凝縮された、わずか15分のショートフィルムでした。
黒猫に案山子、ロボット、悪魔といったアレゴリカルエレメンツを登場させ、実存する原風景の中に人工的、未来的なセットを融合させることで、ビー・ガン特有の既視感にも似た映像空間が浮かび上がってきます。
2024年にビー・ガン監督が着手する最新作『Resurrection』では、フューチャリスティックなイメージが展開されるSF映画になる予定で、本作ではその片鱗を感じることができます。
業界初の試み、
ワンコイン(500円)で観れる
アートフィルム!
元々この短編は、中国・上海を拠点にパリなどで商品展開をする猫グッズのブランド、Pidan(ピダン)の依頼によって制作されたものでした。
しかしこの作品のクオリティーの高さに、『アネット』や『Rodeoロデオ』のプロデューサーであるシャルル・ジルベール、エリック・ロメールが設立した製作会社であるレ・フィルム・デュ・ロサンジュ社が着目し、カンヌでの世界公開を切望したため、今回の一般劇場での公開が実現しました。
アメリカでは今年、ビー・ガン監督の前作『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』のリバイバル公開の併映作としてシアターリリースされましたが、本作単独での劇場公開は日本が世界初となります。
本作は業界初の試みとして、ワンコイン(500円)興行を行うことでも、大きな話題となっています。
Bi Gan | A SHORT STORY
おはなし
孤独で変わり者の黒猫は、
自由になりたいカカシに尋ねました。
「この世の中で、一番大切なものは?」
答えに困ったカカシは、
黒猫に三人の奇人と会うように進言します。
その三人の奇人とは?
ほろ苦さと引き換えに、
めずらしい(甘い)飴を配るロボット。
愛する人を忘れるために、
食すると記憶が短くなるという麺を啜る女。
時間を操る魔法を使えるようになりたくて、
劇場に棲みついた悪魔。