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第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門
国際審査員グランプリ(最高賞)受賞

THE BOTANIST

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NOW IN THEATERS

第49回香港国際映画祭 最優秀監督賞 & 国際映画批評家連盟賞
第45回北京国際映画祭フォワード・フューチャー部門 最優秀男優賞

第42回ミュンヘン国際映画祭 ヤング審査員賞

第40回バレンシア国際ヤング映画祭シネマ・ホーベ撮影部門 審査員特別賞

第18回フィラデルフィア・アジアンアメリカン映画祭 最優秀長編劇映画 審査員賞

第46回カイロ国際映画祭 国際批評家週間部門 特別表彰・最優秀アジア映画賞

2025年アジアン・フィルム・フェスティバル・バルセロナ コンペティション部門 最優秀作品賞・最優秀監督賞

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​他全国順次ロードショー
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コラボレーション
ボタニカルブランドとの
コラボレーションが実現!
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Collaborations with Japan’s Leading Botanical Brands

解説・物語
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解説物語

世界の映画祭が賞賛!
奇跡のような美しさの中で紡がれる
寓話的映像詩

中国・新疆(しんきょう)ウイグル地区の静かな村。

広大な草原と澄んだ空の下で暮らすのは、植物をこよなく愛するカザフ族の少年アルシン。

草花の名を覚え、葉のささやきに耳を澄ます彼は、誰ともなく“植物学者(ボタニスト)”と呼ばれている。

祖母と兄との穏やかな日々のなか、森羅万象、植物や精霊のささやき、言葉を話す馬や失踪した叔父の記憶に導かれ、現実と幻想が溶け合う不思議な世界を生きていた。

そんな彼の前に現れたのは、漢民族の少女メイユー。

文化も言葉も異なるふたりの間に芽生えた淡い恋が、少年の心に新たな感情を呼び覚ます。

しかし、静かな村には少しずつ変化の兆しが忍び寄っていた。

雄大な自然美と詩的な映像、響き合う音楽が、観る者を静かな感動へと誘う。

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登場人物たち

登場人物たち

アルシン役
イェスル・ジャセレフ

13歳カザフ族の少年。
失踪した伯父の影響で、こよなく植物を愛する。
​伯父からは《植物学者 =ボタニスト》と呼ばれていた。
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メイユー役
レン・ズーハン
隣村に住む漢族の少女。普段は家族が経営する万屋(よろずや)の店番をしている。
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兄役
ジャレン・ヌルダオレット
一度は村を出て上海で仕事をしていたが、問題を起こして村に戻ってきた。いつも携帯で誰かと話している。
祖母役
サルヘト・エラマザン
両親の代わりに、アルシンの親代わりとなって、愛情を注ぐ。
人の言葉を話す馬
伯父の代弁者なのか、突然アルシンの前に現れ、意味深な言葉を投げかける。
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監督紹介
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新疆ウイグル地区から現れた驚異の映像詩人、ジン・イー鮮烈のデビュー!

『ボタニスト 植物を愛する少年』は、

中国西北部・新疆の草原を舞台に、

自然との対話、記憶の循環、

そして成長の瞬間を静かに描き出す

詩的な長編デビュー作である。

 

北京電影学院出身の新鋭が、自身の故郷の記憶と精神的風景をもとに制作した本作は、ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門でワールドプレミア上映されるとグランプリを受賞。その後も東京国際映画祭、釜山国際映画祭など数々の映画祭に招待され国際的な注目を集めた。

幼少期に映画文化から遠く離れて育ちながらも、チャン・イーモウ、チェン・カイコー、ウォン・カーウァイといった中国映画の巨匠に加え、アッバス・キアロスタミ、テレンス・マリック、サタジット・レイら世界的作家の作品との出会いが、詩的で瞑想的な映画言語の形成に大きな影響を与えている。

 

特に現代中国アートハウス映画を代表する

ビー・ガンの作品との邂逅は重要であり、

夢と現実の境界を揺らしながら時間その

ものを描く姿勢は、近年の中国映画に現れ

つつある新たな潮流 ― いわゆる「第八世代」

とも呼び得る動向と響き合っている。

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スタッフ紹介
新人監督を支えるために
中国=イランの気鋭チームが結集

本作では風景が単なる背景ではなく、

精神的な存在として描かれる。

新疆の広大な草原や植物は、

登場人物と同様に生きた存在

として映し出され、自然や精霊

との静かな対話が作品全体を

貫いている。

撮影監督リー・ヴァノンによるカメラは、ゆったりとしたパンショットや長回しを基調に、風や光、葉の揺らぎを丁寧に捉え、人間と自然が呼吸を共有するような感覚を映像として可視化している。時間を「進行」ではなく「循環」として体験させる映像設計は、本作の詩的世界を支える重要な要素となっている。

      音楽は国際的作曲家ペイマン・ヤズダニ

      アンが担当し、繊細で浮遊感のある旋律

      が、現実と幻想の境界を柔らかく溶かす

       ような響きをもたらしている。

 

​       また、本作では演技経験のない俳優た

        ちを起用。自然観察や生活体験を共

         有する長期的なプロセスを通て、

演技というよりも“存在そのもの”が画面に現れるようなリアリティが生み出された。特に主人公アルシンを演じたイェスル・ジャセレの飾りのない等身大の演技は高い評価を受け、北京国際映画祭では最優秀男優賞の名誉に輝いた。

プロデューサーのズオロン・シャンは、

中国インディペンデント映画の国際的

な展開を支えてきた存在として知られ、

本作では地域文化への深い理解と

国際共同制作の経験を活かし、

ローカルな物語を世界的文脈へと

接続する役割を担った。

アートハウス作品の海外展開に

おいて重要な橋渡し役として活動してきた彼の参加により、新疆という特異な土地性が保たれながらも、普遍的な映画体験として成立している。

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監督インタヴュー
草原という時間、植物という記憶。
― ジン・イー監督インタヴュー

風景はいつから物語を語り始めるのか。

あるいは、物語とはそもそも風景が記憶

を持った瞬間に生まれるものなのか。

ジン・イー監督の長編デビュー作

『ポタニスト 植物を愛する少年』は、

そうした問いそのもののように

立ち上がる映画である。

新疆の草原。風がゆっくりと植物を

揺らし、時間は直線ではなく循環とし

流れる。この映画において風景は背景

ではない。それは人物と同じように

息づき、感情を宿し、記憶を保持する

存在である。

「私は風景をただの場所として撮りたく

ありませんでした。風景は感情や記憶を

保存する器であり、人間の内面が外部へ

現れる形だと思っています。新疆の空と大地の下に立つと、自分という存在が自然の時間の中に溶け込んでいく感覚があります。その感覚そのものを映画にしたかったんです。」

 

映画を知らなかった少年が映画に辿り着くまで

ジン・イーは中国西北部・新疆の小さな村で育った。幼少期に触れた映画は国営テレビで放送される限られた作品のみだったという。

転機は高校時代、友人から渡されたハードディスクだった。

「そこにはチャン・イーモウ、チェン・カイコー、ウォン・カーウァイ、ジョニー・トーといった中国語圏の監督だけでなく、アッバス・キアロスタミ、テレンス・マリック、サタジット・レイの作品が入っていました。それまで映画は物語を語るものだと思っていたのですが、彼らの作品を観て、映画は時間や感覚、記憶の層そのものを表現できると知りました。世界の見え方が変わった瞬間でした。」

この経験は、映画を技術としてではなく認識の変容として彼に与えた。

やがて彼は北京電影学院へ進学する。

「北京に移ってから、初めて自分がどれほど新疆の風景を内面化していたのかに気づきました。都市の速度の中にいると、草原の静けさが身体の中から呼び戻されるんです。だから長編デビューを新疆で撮ることは、単に故郷を描くことではなく、自分の時間と再び出会うことでした。」

 

ビー・ガンとの遭遇と「第八世代」という地層

北京電影学院での経験の中でも、特に大きかったのがビー・ガンとの出会いだった。

「『凱里ブルース』を初めて観たとき、映画の時間が物語の外側へ広がっていく感覚を受けました。夢と現実が分かれていないというより、時間が層になって存在しているように感じたんです。あの映画は、映画が持つ可能性の輪郭を大きく広げてくれました。」

中国映画史はしばしば世代論で語られる。チャン・イーモウやチェン・カイコーらの第五世代、ジャ・ジャンクーやロウ・イエらの第六世代。しかし近年、より内面的で詩的な映画言語を探る作家たちが現れつつある。

ジン・イーの作品は、その流れ――仮に「第八世代」と呼び得る潮流の中に位置づけられるだろう。

「ビー・ガンの映画は夢の構造を扱っていますが、私は夢の中にある風景そのものに興味があります。夢がどこから生まれるのか、その土壌を探りたい。だから『ポタニスト 植物を愛する少年』では物語よりも、風景と記憶の関係を中心に考えました。

 

 

植物としての人物、文化としての共存

主人公アルシンは植物を記録する少年だ。しかし彼が探しているのは人物ではなく時間だと監督は語る。

「伯父を探しているように見えますが、実際には彼は過ぎ去った時間や家族の記憶を追っているのかもしれません。子どもは自分の渇望の名前をまだ知らない。でもその感覚は確かに存在している。」

漢民族の少女メイユーとの関係は、民族的対立ではなく共存として描かれる。

「彼らは二種類の植物のようです。同じ場所で生きながら、それぞれ異なるリズムを持っている。その違いが衝突ではなく、静かな変化として現れるようにしたかった。」

ジン・イー監督
ジン・イー監督
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Arsin & Horse_©MONOLOGUE FILMS.JPG
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魔術的リアリズムではなく、精神的現実

 

映画に現れる幻想的なイメージについて、監督は次のように語る。

「自然と共に生きる文化では、精霊や記憶は幻想ではなく現実の一部です。私は民間伝承を再現したかったわけではありません。人が自然から生きる知恵を得てきた、その精神的なリアリティを描きたかったんです。」

 

制作前には新疆でフィールドワークを行い、カザフ族と植物との関係を観察した。

 

循環としての時間

 

アルシン、兄、叔父という三世代の関係は植物の成長段階として設計された。

 

「時間は直線ではなく循環していると思います。太陽と月は決して出会わないかもしれない。でも互いを追い続けています。それは人間が求めるつながりや愛の形に似ている。」

 

静かな発芽としての中国映画の未来

『ポタニスト 植物を愛する少年』は、物語の劇的な転換を拒み、むしろ時間の層を観客に経験させる映画だ。その姿勢は、第五世代の叙事性とも、都市リアリズムとも異なる方向へ枝分かれしている。

もしビー・ガンが夢の迷宮を構築した作家だとするなら、ジン・イーはその夢が芽吹く土壌――風景と記憶の接点を掘り下げる作家である。

そしてその静かなデビューは、中国映画の「第八世代」と呼び得る新しい地層が、まだ名づけられぬまま確かに形成されつつあることを示している。

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第75回ベルリン国際映画祭 ジェネレーションKplus部門 国際審査員グランプリ(最高賞)

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