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現在と過去、もしくは未来が映画の時空間に同列に存在できることの豊かさ。

土地の記憶が時制の境界に穴を開けてゴーストたちに通路が生まれた。

ゴーストたちは地下から地表に染み出て漂いながら交流している。

小田香さん(映画作家)

一切の予備知識なしにこの映画を観て、俳優たちの伸び伸びとした演技と豊かな存在感、自由闊達なカメラで切り取られる人工と自然の入り混じった風景に惹き込まれながら、何度となく意表を突かれた。いったいこれはどんな映画なのか? いかなる物語なのか? そんな疑問が繰り返し頭をもたげ、だがそれは新鮮な驚きと心地良い疑いであって、しかもそれは映画の最後まで持続したのだった。

佐々木さん(思考家)

なんて魅力的な光と時空の劇だろう! 次から次へと魅力的な光-景が連鎖し、過去と未来の並行世界が近づいては遠のく。チウ・ションの世界はレンズで充ちている。郊外の地盤沈下を測量する計器。少年たちに発見をもたらす双眼鏡。それらのレンズ越しの光-景を映画の撮影カメラが捉え、私たちの「目」というレンズに祝福を授けた。

矢野優さん (「新潮」編集長 )

意味が剥奪され、物語からも遊離させられた「測量」と「歩行」、そして恋愛/仄かな恋愛は、詩的でありながらドキュメンタリー的であり、細部はリアルでありながら全体としては抽象的である。

そこでは、建築物も自然も人間も等価で、つまり人間にも過剰に感情移入せず、だからといって自然こそが主人公ともならない。「郊外の鳥たち」が見ているような無機質なヴィジョンが展開されていて、そこに私は一番驚きを感じ、心うたれた。

夏目深雪さん (映画批評家 )

地質調査で訪れた廃校で見つけた少年の日記。

そこで描かれる子どもたちの日常は、過去の記憶、土地が持つ集合的な記憶、それとも未来の記憶…!?

清原惟の『わたしたちの家』のような斬新なストーリーテリングだが、多分そのさらに先をいっている。

金子遊さん (批評家・映像作家 )

国内

DOMESTIC REVIEW

リニアな回想ではなく、別個の質を持つ「子供の世界」と「大人の世界」がパラレルに描かれる。確かに我々の少年時代はイノセンスの終焉と共に一度完結するのかもしれない。

森直人氏  (映画評論家 / シネマトゥデイ映画短評より)

シネマトゥデイ

子供たちは小さな旅に出る。一人ずついなくなっていく寂しい感じ。夕暮れの河原で女の子が立ち尽くす。その後ろ姿の美しいこと。★★★★

いまおかしんじ氏  (映画監督・脚本家 / キネマ旬報4月下旬号REVIEWより)

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とてもノスタルジックなこの感じ。夢を見ているような、そして終わってしまうことを知っているような寂しさだけが少し残る。(中略)紛れもない大傑作!★★★★★

睡蓮みどり氏  (文筆家・俳優 / キネマ旬報4月下旬号REVIEWより)

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監督がズームの使用をホン・サンスの影響だとか、測量機の模倣というのは照れ隠しなのだろう。ここでのズームは空間の歪みを視覚化する便宜的な技法だからだ。★★★★★

須藤健太郎氏  (映画批評家・都立大助教 / キネマ旬報4月下旬号REVIEWより)

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チウ・ション監督はアリスと荘子の夢を合体させたのかもしれない。マルチバースで解くよりも、映画の中のいくにんものハオたちと一緒に私たちも夢と夢、思い出と思い出、現実と現実、そしてそれらをさらに交差させて郊外の鳥たちと共に遊ぼうではないか ─。映画はいつも新しいのか。もともと永遠に新しいのか。

田中千世子​氏 (映画評論家 | 大阪映画サークル機関誌 3月1日号より)

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都市と子供と時間のパズルを謎解く。

高橋正明氏  (デザイン・ジャーナリスト | ご自身のtwitterより引用)

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新興都市の過去と現在、未来の多層的な時間を重ね合わせつつ、人間の存在も幾重にも溶け合わせるマジックリアリズムの力業に震撼する傑作です。

寺本郁夫氏  (映画評論家 | ご自身のtwitterより引用)

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新世代の有力な一人として注目したい、チウ・ション監督による、鮮烈な長編デビュー作品だ。その作風は、右脳と左脳が同時に激しく活動するような、知的かつ感覚的な要素に溢れている。

小野寺系氏  (映画評論家 / Real Sound|リアルサウンド 映画部3月17日より)

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近代化で失われていく古き良き風景と、 子供たちの遊び声。 郷愁を誘うだけではなく、現代の 「ハーメルンの笛吹き男」のようで空恐ろしい。

 (誠)氏  (読売新聞 3/17夕刊より)

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今週末見るべき映画

まるで、映像詩のような雰囲気で、思わず、ことごとくの映像に引き付けられる。ストーリーを追うことの意味が、次第になくなってくる。(中略)  やがて、どれが現実なのか、判然としなくなる。少年ハオたちの現実と、青年ハオたちの現実が、同時に存在するのか、それとも、どちらかのハオの物語が過去なのか未来なのか(中略)  チウ・ションは、いくつかの短編を撮ったキャリアがあるものの、本格的な映画作品は、本作が初めてらしい。恐るべき才能を感じる。(中略) このほどのアカデミー賞で、多くの受賞を果たした「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の「マルチバースとカンフーで世界を救え?!」というコピーとは、対極にあるような映画だが、中国の若い才能の出現に、必ずや、驚かれること思う。

二井康雄氏 

(映画ジャーナリスト・元暮しの手帖副編集長 | ご自身のFacebookより引用)

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時代を隔てた2人のハオの物語が、奇妙に干渉し合う。その大胆な構成によって、誰かの夢を覗き込んでいるような浮遊感と、サス ペンスフルな没入感が、奇跡的に共存して、観る者の想像力を掻き立てます。

溝口徹氏   (うかたま誌春号より)

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2つの物語の相関性や象徴的に語られる青い鳥などの説明が一切ないまま、謎めいて示唆に富んだ内容が展開する。大胆なズームインやズームアウト、パンを多用した長回しといった凝った撮影も意味があるのか計りかねるが、この不安定感、宙ぶらりんの感覚が癖になってくるから不思議だ。

藤井克郎氏  ​(映画評論家 | ミニシアターへ行こう。3月公開短評より)

夏休みが終わり学校が始まるあたりからクラスメートの欠席が目立つようになるが、それが引っ越しによるものだとはハオは気づかない。街を囲む塀を超えた後で道に迷うが、その不安と寂しさに、約束された未来が信じられない当時の中国人の思いが象徴されていた。

福本ジロー(映画ライター | 2023/2/3 - ご自身のFacebookタイムラインより)

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神秘的でSFのような雰囲気は、ジャ・ジャンクー監督の作品に似ていると思った。何か不思議な感覚が後を引く作品で、中国の映画からも目が離せない。

野島孝一氏 (2023/2/5 | 第894回 野島孝一の試写室ぶらぶらより)

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映画上は平行に語られ、途中で二つの挿話が交わっていそうな点はいくつもあり、二つの挿話に似ている部分も数多くあるが、それらが交点なのか共通点なのか、つまり二つの挿話がどの時間軸/世界線にあるのか、二人は同一人物なのかは意図的にはぐらかされている。しかし、そのどちらもが"クリティカルな何か"を忘れてその周りを周回するような、ある種の不条理さと不可思議さを持ち合わせていて、それが非常に心地よいのだ。

Knights of Odessa氏 (2021/10/10 | 本人の同名ブログより)

少年パートの、廃墟や自然をズンズン突き進んでいく冒険、『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせる冒険は、都市になれなかった地の明るい側面にフォーカスを当てている。決して打ち廃れた場所ではないし、希望が眠っていることを静かに物語っているのである。

ェ・ブンブン氏 (2022/12/30 | CHE BUNBUN’S TIMAより)

海外

INTERNATIONAL REVIEW

チウ・ションのスタイリッシュなデビュー作は、不可解で魅惑的なパズルゲーム。

ギィ・ロッジ / ヴァラエティ 2018.8.5

“スタンド・バイ・ミー” meets カフカの “城”。

レスリー・フェルぺリン / ハリウッド・リポーター 2018.8.3

チウは、1つの謎をそのままに幾重にも辛抱強く層を重ねることで、卓越した技術を発揮する。これはパズル映画ではないが、その結末は掴みどころがない。拡大する中国の街並みへの考察はジャ・ジャンクーの作品を想起させ、神秘に近い静寂はアピチャッポン・ウィーラセタクンの作品に見られるアクセントを備えている。チウは類稀なアーティストであり、手応えのあるデビューを飾った。

グレン・ケニー / ニューヨークタイムス 2019.4.9

簡単なカテゴライズや説明を

断固として拒否する映画。

ウェンディ・アイデ / Screen International 2018.12.10

成熟は絶望的な乾燥状態を示すものではなく、むしろ魔法のような連続性、子供時代の歓びと連帯の再現がある。過去と未来、現実と夢が、同じ地平性を歩いているような感覚を覚える。

ジョン・ブレイスデイル / Sight & Sound 2018.11.14

近代化とそれに伴う疎外感を、怒りや絶望が原因ではなく、単に生活の一部として表現していることが新しい。この風変わりな世界の中に存在している、子供も大人も素晴らしい。

ベン・サチス / シカゴリーダー 2019.6.6

中国西部の都市化を描いた仇晟(チウ・ション)の作品では、政府の機構がまるで宇宙の力学に呼応しているかのようだ。地下鉄のトンネル工事と関係があると思われる陥没の苦情を調査する測量技師の一団。彼は日記を読みながら、ハオという名のカリスマ的な少年を中心とした小学生たちの、優しくも定常的なリズムに没頭する。彼らはまだ新しい世界を移動し、無限に広がるように見える地元の森(観客はコンクリートの外側から初めて豊かな経験をする)を探索する。ハオの幼い記憶によって描かれる、突然の、そして不可解な消失に驚きと感嘆を覚える。全く新しい映像体験。

クロエ・リゾット / FILM COMMENT 2019.4.5

『郊外の鳥たち』には夢のような、彷徨える強さがある。アンドレイ・タルコフスキーやアピチャッポン・ウィーラセタクンから明らかに影響を受けているチウは、その風景を得体の知れない呪術的な壮大さで表現している...。この映画は、過ぎ去った空想にコミットすることを拒否しているため、非常に意図的であり、結論から言うと、チウ・ションのアーテイストとしての素質を存分に証明している。

チュック・ボウエン / SLANT Magazine 2019

チウ・ションのデビュー作は、中国のインディペンデント映画における非常に痛ましいテーマ、高速の土地搾取とその人間力学への影響を、ノスタルジックかつ幻想的に表現している。

アドリアーナ・ロザッティ / ASIAN MOVIE PULSE.COM 2018.10.6

『スタンド・バイ・ミー』、ジャ・ジャンクー、デヴィッド・リンチを思い起こさせる『郊外の鳥たち』は、監督の青春の鋭い観察眼、叙情的なビジョンによって発表された。観客は、旧友との思い出の道をほろ酔い気分で長く旅するように、各フレームをスキャンして視覚的な反響を探すゲームの一部となる。些細なディテールのおかげで互いの逸話が弾みだす瞬間を目撃することとなる。

パトリック・ダール / SCREEN SLATE 2019.4.1

明確な物語を期待する観客よりも、冒険心や好奇心の強い観客向けの映画かもしれないが、それでもチウの映画には楽しむべきものがたくさんある。二人のハオが別人だというなら、この映画の名前にもなっている、ほとんど見られない珍しい鳥、サイアリア・スブルビウムに取り憑かれているようだ。その鳥は永遠のものかもしれないが、ハオの人生は間違いなく無限ではないことを知らせれる。

アンドリュー・ヘスキンズ / easternkicks.com 2018.11.11

その創造的な意思決定において

繊細かつ正確である。

一度見たら忘れられない、そんな映画だ。

アンドリュー・ブンディ / THE PLAYLIST 2019.4.5

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